設立/2000年 Northern Tasmania (ノーザン・タスマニア地区)
オーナー/Josef Chromy
ワインメーカー(醸造責任者)/ヴィティカルチャリスト(ブドウ栽培責任者)/Jeremy Deen
ジョセフ・クローミー氏はかつてズボン1本、ポケットにはコインが数枚、まさに一文無しでオーストラリアへ渡り、移民としてタスマニアへ辿り着き今や実業家としての頂点まで成し遂げた偉大なる人物であり、「タスマニアの父」と称されています。炭鉱夫として蓄えたお金で1件の肉屋を始め、タスマニアの食肉業を皮切りに土地開発産業そしてワイン産業に至るまでタスマニアの発展に「ジョセフ・クローミー氏」は無くてはならない存在でした。会食するたびに氏から述べられる言葉の中で、オーストラリア不況下の80年代、40万人にも満たないタスマニアで食肉業界は厳しいものがありました。そんな中助けてくれたのが日本の商社でした。その時、「日本向けにできた商売があったからこそ今の自分たちは存在するんだ」と日本とのワインビジネスにおいても非常に好意的に支えてくれました。
ワインのラベルに描かれている「しっぽを2本もったライオン」が最初に現れたのは12世紀、ボヘミア王国の紋章としてでした。そしてワイナリーにとって、創設者ジョセフ・クローミー氏の功績や遺産を象徴しているものとして、ライオンが描かれています。
ジョセフ・クローミーのセラードア、ブドウ畑、そしてワイナリーはRelbiaという北タスマニアのロウンセストンから南へ15分ほど運転した所にあり、ロウンセストン空港からも近い距離にあります。またタマ―ヴァレーの一番南、海岸から45kmに位置し非常に気候の安定した谷間に葡萄畑とワイナリーはあります。
葡萄畑はなだらかな斜面にあり一番低いところが海抜80m~一番高いところは海抜170mになります。ここにはクリーンで、現代的、最低限の外観、入手可能な最先端の技術を供えたワイナリーとして建設されました。
自社畑は61ヘクタール(150エーカー)になるブドウ畑と新しく完成した最先端のワイナリーを含み、涼しい気候が作るプレミアムな果実からエレガントなワインを生み出しています。
品種はピノグリ、ソービニヨン・ブラン、シャルドネ、リースリング、ゲヴェルツトラミネールそしてピノ・ノワールを育てています。またプレミアムなスパークリングワインと貴腐のリースリングも作っています。
今や、ジョセフ・クローミーはほんの2年でタスマニアワイン産業の歴史において最も成功し、発進したワイナリーの1つとなり、9つを超えるトロフィー・メダルとそれ以外に90以上ものメダルを受賞しました。
ブドウは、ハイテクのドイツ製プレス機が低圧で搾汁を可能にし、より繊細な香りを備えた果汁に仕上がります。すべてのピノ・ノワールは少量に分けて開放槽の発酵タンクで発酵させますJ/クローミー氏と共に共同開発された空気を送り込む機器(パンピング)は、優しく果皮を沈め、発酵間の色素とタンニンの抽出を管理するために使用されています。ワイナリーにあるすべての機器や工程は、高品質で冷涼気候であるタスマニア産ぶどう果実の繊細な品種の風味や特徴を考慮し、配慮したデザインに設計されています。そのため本土とは異なる味わい、果実味だけではなくミネラル感がバランスよくワインから感じられます。今や大陸の気候が不安定で気温が上昇している中、冷涼なタスマニアの葡萄は大手生産者やフランス資本のワイナリーなどから高値で取り引きされています。
ジョセフクローミーでは「タスマニア・サステイナブル・ヴィティカルチャー・プログラム」に加盟しているワイナリーの一つで二酸化炭素の排出量削減、地域循環させた農業システムを取り入れています。恐らくタスマニアにおいて最も最低限の二酸化炭素排出量ワイナリーとして成長しています。
1年の季節を通して最低限の薬剤散布しか使用せず、ワイナリーに併設している100KWのソーラーパネルとレストランに併設している14KWのもので自家発電を行い電力共有を賄っています。
葡萄畑関連の廃棄物は堆肥として再生されて葡萄畑に戻し有機物資の一つとして使用しています。またワイナリーで使用された水を畑で灌漑用水として再利用することが可能になるよう品質改善し取り入れます。主な固形廃棄物もリサイクルされており、タスマニアのワイナリーとして唯一軽量硝子(18%~30%の二酸化炭素の排出量を削減可)によるワインボトルを使用。
小さな池をワイナリーの敷地に作り野鳥保護という視点にも寄与しています。