設立/1979年 Gippsland(ギップスランド)
オーナー/ワインメーカ/ヴィティカルチャリスト(ブドウ栽培責任者)/ Phillip
Jhones (フィリップ ジョーンズ)
"Bass Phillip .. Australia's best Pinot Noirs"
「フィリップ・ジョーンズ」、1970年代にピノ・ノワールに魅せられたただ1人のオーストラリアのワインメーカーだった。「Chateau Ducru Beaucaillou」に短い恋をし、伝説のブルゴーニュのワインプロデューサーである、晩年の「Henri Jayer」の素晴らしいワインに魅了されたのがことの始まりだった。その当時彼の畑の大部分に植えられていたカベルネ種とメルロー種は全て抜き取られ、ピノ・ノワールに植え替えられたのである。それが彼の完璧主義者としての行動であり、これから始まる終わり無き戦いへの序章であった。 この小さな10エーカー程の土地に1979年にフィリップ・ジョーンズによって設立されたワイナリーは、ブルゴーニュの偉大なドメーヌとそう違わないほどの名声(評判)を急速に得ている。時にはエーカーあたり1トン以下という非常に少ない収量、区画毎に分けられたワインの生産量もわずか数百ケースのみである。良作年のみ仕込まれる一樽分のみのリザーブワインが全てを物語っている。
そんなワイン作りワインメーカー、「フィリップ ジョーンズ」氏が少量生産でしかワインを造らないのは彼の細部にわたる情熱といえる。それぞれのぶどうは手摘みで収穫され、選果を経て「バス・フィリップ」としての厳しい基準をクリアーしなかった果実は全て除かれる。(難しい年は最大30%位のぶどうが捨てられる)
バスフィリップは1979年にオーストラリアの南東ギップスランド地域で高品質なピノノワールとシャルドネを造り始める。オーガニック栽培は1993年から慣習化されビオディナミは2002年から取り組む。バスフィリップでのワイン作りは品質に伴う経験値という情熱と成長過程で細部にわたる注意力から導かれており偉大なワインが作り出されている。オーストラリアで15年以上に渡り最高峰のピノノワールとして認められているバスフィリップのワイン、複雑味や余韻の長さ、力強さと繊細さのバランスそして10年以上に及ぶ熟成のポテンシャルが現われるワインと称されている。彼の醸造は至ってシンプルであり伝統的なマナーの元、低収量の葡萄畑、灌漑は行わずワイナリーでは最小限の人的介入。その為バスフィリップのワインには地域の特徴や個々の畑の個性が現われている。1979年に「Phillip Jones,・フィリップジョーンズ氏」によって設立されたレオンガシャの南に位置する畑はメルボルンの南東150km離れたギップスランド地域において初めての葡萄畑。深さのあるミネラル豊富な土壌と高い湿度に加えて冷涼な気候が非常に重要な要素であり、複雑味やしっかりとしたフレーバー、引き締まった自然な酸とミネラル感がピノノワールとシャルドネの中に現れる。これは1984年のファーストヴィンテージ以来現在もこのクオリティーを保っている。初めて市場にリリースされたのが1985年~1989年、1991年へと続いていく。すぐさま市場ではバス・フィリップの名が知れ渡る事となる。1989年は初めてリザーブ、プレミアム、エステートとピノノワールを別けて醸造したヴィンテージ。これら区別した区画の葡萄は5年に渡り沢山の小さな組に分けて醗酵醸造を試み続けた結果。区画毎に決められた畑の異なるキュベは今日に引き継がれている。現在オリジナルの畑3.5ヘクタールからはリザーブ、プレミアムそしてエステートのピノノワールが醸造されており、主に葡萄畑には9000本/ヘクタールの葡萄が植えられており比較すると、一般的にオーストラリアでは2000本/haに対しフランス(ブルゴーニュ)は10000本/ha植えられている。また収量は1~1.3トン/エーカーであり葡萄の樹1本あたり10房以下で生育し、自社畑の生育習慣がバランスよく保たれている。これは葡萄の樹1本あたりやっとボトル半分の果汁が見込まれる計算となる。けれどもこういったことが複雑さや骨格、ミネラルを表現する高い基準を与えるものと信じている。また別途自社畑として所有している畑がBelorse(ベルローズ)とIssan(イサン)があり3ヘクタール、それとVillage(ヴィラージ)が9.5ヘクタールこの10年で新たに増やした。 バスフィリップのワインははっきりとした違いを表現し若くても素晴らしい味わい。けれどもセラーで数年寝かせると素晴らしく良い熟成を現す。バスフィリップのピノノワールにおけるここ最近のヴィンテージはベストと言えるワインを作り出しいて、このことは葡萄の樹がより年を取り、ワイン作りの経験値が増え、畑とワイナリーにおいてサステーナブルを続けていることの現れ。
バスフィリップのワイン作りにおける本質はワイン作りの工程をコントロールするのは「自然の力をあるがままに」ということ。サウス・ギップスランド地域はあらゆる植物の生育に非常に適した環境であり、畑作りにおいても実践し易い哲学を生みだすことが出来る。灌漑、毒性のある防かび剤、溶液栽培など一切使用せず、ワイナリーに存在する自然酵母、最低限の注排水とフィルター処理、最低限の土壌改良処理が慣習化されている。清澄剤や補酸の使用も避けている。このことは天候要因が全ての結果として反映し収穫時期の選択やバランスのとれた自然なブドウの樹が生育し、最大限にテロワールを表現している。南ギップスランド地域は酪農や放牧地として知られており年間1000mmの降雨量、深い砂質のローム層を形成している。この地域ではかつて干ばつの被害が無く土壌の水分が保たれていることを意味し、周囲の湿度がピノノワール・ワインの品質にとって必要とされている。海から20キロも離れていないにも関わらず、畑は北東と北西にある丘に守られ強い海風を防ぎ大陸性気候の影響を受けている。その為この地域の日中の温度差は幅広く夏季においては最大20度。土壌は古代の火山地域でありミネラルが豊富、低い粘土含有量を伴った土壌構造のため水はけが良く根は深く張る特徴がある。